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東京都港湾局専用線

東京都 江東区越中島貨物駅から中央区晴海へ駆け抜ける廃線跡。
かつてこの地に専用線網を持っていた表題のものである。

今はもう使われていない事を説明するかのように
現役の線路からコンクリートブロックにより完全に分断されている。
草が茂る廃線跡地には赤錆た線路が敷かれたままになっているが、
それもすぐに消え去り、一目では廃線跡地と解らなくなってしまう。

駐車場に変身した廃線跡は緩やかにカーブを描いている。
よく見れば廃線跡に見えなくもないと言ったところか。
b1035.jpgb1036.jpg
豊洲運河を渡る鉄橋は既に記憶の彼方だか、
それを支えた橋脚が辛うじて残る。
その間隔の長さから単調なガーターではない事がわかる。
船舶の往来を考慮しての事だろう。

タワーマンションが林立する豊洲駅周辺は、
線路は愚か、跡地の線形さえ見る影もない。
現役時代を知る人でさえ痕跡を探す事は容易でないだろう。
ここまでは深川線、ここからは晴海線が分岐する。

現役時代を知らない人から見ても明らかな鉄道跡が
近代的なビルの狭間に堂々と残されている。
b1044.jpg
下路式ローゼ桁の造りを持つ晴海橋である。
何故残されたのか、さっぱり解らないが
誰かに残す意思がなければ今日まで残る筈がない。
b1043.jpg
近くに保存されているNo.2ドック同様に
ライトアップでもされていれば更に安心出来るのだが…。
b1038.jpg
潮風にさらされて、赤錆が浮き上がっている。
前後をコンクリート橋にした理由は潮風対策か。
b1040.jpg
美しい形状を目一杯、運河に横たわらせながら
ものすごいスピードで変化する周囲の景観を傍観しているかの様。
b1045.jpgb1037.jpg
左写真:2006年 右写真:2013年

現役時代なら遠くからでも目立った筈の橋梁だが、
今ではビルの森に埋もれ、
200m程度まで近寄らないと姿が分からない。
終点の晴海埠頭は一部空き地を残して、
例外なくビル群に生まれ変わっている。
のどかな貨物線の風景は忘却の彼方と言った所。
昭和32年から平成元年の運行であった。
b1042.jpg
変わりゆく時代の波に乗る事が出来なければ
貨物線は効率が悪いと見なされ淘汰されてゆく。
だが、一時代を支えた彼らが存在したからこそ
現在の豊かな街並みがある。

この橋が歩道に活用されれば
間違いなくこの街のシンボルになるであろう。
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  1. 2013/11/30(土) |
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